ポプラ社の「百年文庫」の存在を始めて知りました。ホームページを見ると、「名短篇の本棚です。百年文庫 1冊で3人の文豪の傑作が読める、日本と世界の名短篇アンソロジー」とありました。(2020-08-06)
「庭の眺め」梅﨑春生
この「庭」は手入れをしていない雑草だらけの空き地で、竹垣も朽ちて境界線がありません。犬猫鶏など自由に通ることができるのです。そんな庭をある日、汲取屋の馬車馬が通りました。そんな庭の様子を私は縁側から眺めているのです。眺めたままを淡々と描く、その描き方がなんとも味わい深い作品です。
「白いウズラ」スタインべック 伊藤 義生 訳
理想の庭を求め続ける妻。夫はそれを尊重し、二人の暮らしが続いていくが、やがて……。という物語です。
「金魚繚乱」岡本かの子
「意識して求める方向に求めるものを得ず、思い捨てて放擲(ほうてき)した過去や思わぬ岐路から、突兀(とつこつ)として与えられる人生の不思議さ」
この一文が物語の主題でしょうか……。
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