2025年8月6日 / 最終更新日時 : 2025年8月6日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫90「怪」五味康祐 岡本綺堂 泉 鏡花 「喪神」五味康祐 幻雲斎は豊臣秀次の側近召し使えを断り隠棲しました。その幻雲斎に挑みに現れたのが奉納試合で幻雲斎の敗れた稲葉四郎利之の子松前哲郎太重春でした。幻雲斎は哲郎太の右耳をかすめ取り命を助け、「何時なりと隙あら […]
2025年8月2日 / 最終更新日時 : 2025年8月2日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫89「昏」北條 誠 久保田万太郎 佐多稲子 「舞扇」北條 誠 「森伝」は粋筋の間に名の通る海苔屋でしたが、時代の変化に取り残され商売は先細りとなりました。二代目主人の伝兵衛は、先代から預かる嘉吉じいさんに帳場を任せ野放図な暮らしをしていましたが、森伝の品質だけは頑 […]
2025年7月31日 / 最終更新日時 : 2025年7月31日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫88「逃」田村泰次郎 ゴーゴリ ハーディ 「男鹿」田村泰次郎 「私」は戦友の大木戸登が殺人を犯し、消息を絶って十数年になるという話を元刑事から聞きました。大木戸登は大学出の青白いインテリで彼の考え方には相通じるものがありましたが、戦争中の彼の非情な行動以来、不可 […]
2025年7月26日 / 最終更新日時 : 2025年7月26日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫87「風」徳富蘆花 宮本常一 若山牧水 「漁師の娘」徳富蘆花 霞ヶ浦の浮島に住む老夫婦とその娘お光の物語。お光は拾い児でした。家の戸口まで霞ヶ浦は迫っていてその向こうに筑波連山が見えます。その眺望を見ながら歌うお光の歌は浮島の名物とまで言われました。お光は十四 […]
2025年7月25日 / 最終更新日時 : 2025年7月25日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫86「灼」ヴィーヒェルト キプリング 原 民喜 「母」ヴィーヒェルト 鈴木仁子 訳 ナチスの収容所に囚われていたと見られる母親が帰って来ました。家には息子を連行しにきたアメリカ兵たちが二人の娘を傍らに置いて酒を飲んでいました。息子は母親を告発したという嫌疑を掛けられて […]
2025年7月24日 / 最終更新日時 : 2025年7月24日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫85「紅」若杉鳥子 素木しづ 大田洋子 「帰郷」若杉鳥子 小巻は11歳のとき30円で年期にやられ、後、芸妓になってあちこちを転々とし19歳のときに「やなぎや」に入りました。以来老夫婦がなくなってからも小巻が商売をついでやってきました。経子もそこにもらわれてきた […]
2025年7月24日 / 最終更新日時 : 2025年7月24日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫84「幽」ワイルド サキ ウォルポール 「カンタヴィルの幽霊」ワイルド 小野協一 訳 3世紀も前から幽霊が居ると言われてきたカンタヴィル屋敷にアメリカ公使のオースチン一家がやって来ました。オーシチン氏はこの屋敷に幽霊が出ることを承知で買い取ったのです。この家族 […]
2025年7月19日 / 最終更新日時 : 2025年7月19日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫83「村」黒島伝治 葛西善蔵 杉浦明平 「電報」黒島伝治 自作農の源作は、息子に貧しい暮らしをさせたくない、と市の中学校を受験させました。自分より出来が悪かった者が上の学校に行き、今は村で威張っている。息子をそんな不利な立場に置きたくはなかったのです。しかし、 […]
2025年7月18日 / 最終更新日時 : 2025年7月18日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫82「惚」斎藤緑雨 田村俊子 尾崎紅葉 「油地獄」斎藤緑雨 口数の少ない、いわゆるムッツリの書生「目賀田貞之進」が、柳橋の芸妓「梅乃家小歌」に惚れてしまいました。お手洗いを出た貞之進に小歌が手拭を差し出したとき、貞之進がそれを受け取るのを躊躇していると、小歌は […]
2025年7月17日 / 最終更新日時 : 2025年7月17日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫81「夕」鷹野つぎ 中里恒子 正宗白鳥 「悲しき配分」鷹野つぎ 兄弟妹の幼子を育てる桂子は、単身赴任から帰る夫を子供たちと共に待っていました。子育ての中で生ずる多くの判断を独りで担ってきた苦労と充実が感じられますが、桂子には子供たちとは違う妻としての感情が渦巻 […]