2025年7月2日 / 最終更新日時 : 2025年7月2日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫74「船」近藤啓太郎 徳田秋声 野上弥生子 「赤いパンツ」近藤啓太郎 南房州の漁村に、疎開してきた中学校の図画教師がいました。村では長く不漁が続いていましたが、その先生が気晴らしに船に乗ったところ、その船が大漁となりました。先生は赤いパンツを履いていました。それ以 […]
2025年7月2日 / 最終更新日時 : 2025年7月2日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫73「子」壺井 栄 二葉亭四迷 葉山嘉樹 「大根の葉」壺井 栄 1938年に発表された作者初期の作品です。 主人公、健は五歳。妹の克子は二歳で白内障の手術のため母に連れられ神戸の病院に行っています。その間、健は隣村のおばあさんの家に預けられていました。おばあさん […]
2025年7月1日 / 最終更新日時 : 2025年7月1日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫72「蕾」小川国夫 龍胆寺 雄 プルースト 「心臓」小川国夫 冒頭に「房雄の母親が実家の法事に姉を連れて行った日」とありますから、主人公房雄は独り自由な環境に置かれていることが分かります。そこに登場する則子とのやり取りや体の描写から、はち切れそうな欲望を押さえよう […]
2025年6月28日 / 最終更新日時 : 2025年6月28日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫71「娘」ハイゼ W.アーヴィング スタンダール 「片意地娘」ハイゼ 関 泰祐 訳 舞台はイタリア、ソレント。地元の人々に尊敬されている神父さんがいて、舟渡しのアントニーノも片意地娘と呼ばれているラウレラもその神父さんに見守られながら生活しています。そのアントニーノとラ […]
2025年6月5日 / 最終更新日時 : 2025年6月5日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫70「野」ツルゲーネフ ドーデ― シラー 「ベージンの野」ツルゲーネフ 佐々木 彰 訳 エゾヤマドリを撃ちに行った帰り道、主人公の「私」はベージンの野と呼ばれる所に迷い込み、馬番の少年たちと一晩を過ごさせてもらうことになりました。少年たちは焚火を囲んでそれぞれが […]
2025年6月4日 / 最終更新日時 : 2025年6月4日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫69「水」伊藤 整 横光利一 福永武彦 「生物祭」伊藤 整 東京の学校に通う主人公が、父を見舞いに帰省します。主人公はそれまでの父への対し方を顧み、死に直面している父の内心について考えるのですが、その一方で李の匂が運ぶ耽美な思い出に浸るのでした。北国の春の輝き […]
2025年6月4日 / 最終更新日時 : 2025年6月4日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫68「白」梶井基次郎 中谷孝雄 北條民雄 「冬の蠅」梶井基次郎 作者は療養地で見た冬の蠅から小説を書こうとしています。その数行のプロローグに作者の息づかいを感じました。 緩慢で弱々しい冬の蠅たちと、主人公の不眠と憂鬱と倦怠。主人公は鬱屈した部屋から逃げ出し峠を越 […]
2025年5月14日 / 最終更新日時 : 2025年6月29日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫67「花」森 茉莉 片山廣子 城 夏子 「薔薇くい姫」森 茉莉 作者自身を投影していると思われる主人公魔利(まりあ)の日常を描いた作品です。持病や自身の随筆・小説などについて取り留めなく話が続きますが、その中で魔利はいつも自分が子供のように扱われてしまうことに […]
2025年5月13日 / 最終更新日時 : 2025年5月13日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫66「崖」ドライサー ノディエ ガルシン 「亡き妻フィービー」ドライサー 河野一郎 訳 ヘンリーとフィービーが結婚してから48年がたっていました。二人は睦まじい夫婦でしたが、ヘンリーが70歳のときフィービーが病死してしまいます。フィービーは64歳でした。ヘンリー […]
2025年4月27日 / 最終更新日時 : 2025年5月13日 kakkou 百年文庫を読む百年文庫65「宿」尾崎士郎 長田幹彦 近松秋江 「鳴沢先生」尾崎士郎 ナルザワ先生は帝大出で旧制中学の英語教師でした。その先生が今は簡易宿泊所の常連で無銭飲食の常習者となっています。警視総監が無二の親友という先生が、教え子にその日の宿を乞い、不忍の池の屑屋に「おれを何 […]