「会う」「逢う」「遭う」「合う」の意味の違いと正しい使い分け
パソコンなどに「あう」と入力すると「会う」「逢う」「遭う」「合う」などの変換候補が表示されますが、どれを使えばよいか迷うことはありませんか?
そんなときのために、今回は、
「会う」「逢う」「遭う」「合う」の意味の違いと正しい使い分け
についてお伝えします。
はじめに、「大辞林第三版」(三省堂)で「あう」を引いてみました。
「あう」について本書は、「会う」「逢う」「遭う」と「合う」を分けて解説しています。
それでは、「日本語に強くなる本」省光社)も参照しながら、内容をまとめてみたいと思います。
目次
「会う・逢う・遭う」と「合う」の意味
「会う」の意味
「会う」には、
「顔を合わせる。対面する」
という意味があります。
「先輩に会う」
「打ち合わせのため喫茶店で会う」
という使い方をします。
(出典元:「大辞林第三版」三省堂)
委員会・音楽会・展覧会・総会など、
「会」は
「人の集まり」
を意味します。
また、「会」は会議・会見・会談・会話・再会・面会など、
「あう」「出あう」「集まる」
という意味でも使われます。
(出典元:「日本語に強くなる本」省光社)
「逢う」の意味
「逢う」には、
「出会う。落ち合う」
というの意味があります。
「恋人に逢う」などと使います。
「会う」とも書きます。
「逢う」は常用漢字表外の字です。
(出典元:「大辞林第三版」(三省堂)
「遭う」の意味
「遭う」には、
「好ましくないことに出会う」
という意味があります。
「にわか雨に遭う」「交通事故に遭う」などと使います。
(出典:「大辞林第三版」(三省堂)
「合う」の意味
「合う」には
「一つに合する。調和する。適合する」
という意味があります。
「合する」とは「一つになる」「一緒になる」ということです。
「彼とは気が合う」
「サイズが合う」
「相性が合う」
という使い方をします。
(出典:「大辞林第三版」(三省堂)
「会う」「逢う」「遭う」「合う」の使い分け
「会う」「逢う」「遭う」「合う」の使い分けを例文で確認します。
「会う」「逢う」の例文
- 彼は先輩に会(逢)うため、自宅を訪問した。
- 五時半にいつもの喫茶店で会(逢)おう。
「遭う」の例文
- 同級生と駅でばったり遭った。
- いやな奴と遭ってしまった。
- 盗難に遭う。
- 交通事故に遭う。
- ひどい目に遭う。
「合う」の例文
- いくつもの川が合って大河となる。
- 視線が合う。
- 足に合わない靴。
- 意見が合わない。
- 彼とは話が合う。
- 計算が合う。
- 答えが合わない。
- このネクタイならあの上着によく合う。
- 眼鏡の度が合わない。
- 好みに合った音楽。
- 割に合わない仕事。
- 愛し合う。
- 話し合う。
- 子犬がじゃれ合う。
まとめ
「会う」「逢う」「遭う」「合う」の違いと正しい使い分けについてお伝えしきましたが、いかがでしたか?
今回のポイントをまとめます。
- 「会う」「逢う」「遭う」 → 人や物事と「あう」こと。
- 「合う」 → 別々の物・事がひとつにまとまること。
- 「会う」 → 「顔を合わせる。対面する」という意味。
- 「逢う」 → 「出会う。落ち合う」という意味。
- 「遭う」 → 「好ましくないことに出会う」という意味。
- 「合う」 → 「一つになる。調和する。適合する」という意味。
「会う」と「逢う」は、人と人が「あう」ときに使いますが、この場合、「会う」を使っていれば問題ありません。
少なくても「会う」と「合う」はしっかりと使い分けたいものです。
試合や競合においては、どのように説明したらいいでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
岩波国語辞典第五版では、「合う」について(他の動詞の連用形を受けて)「互いに同じ動作をする」と解説しています。
そして「競合」を「互いにせりあうこと」とし、「試合(仕合)」を「競技や武芸などで互いに腕を比べ、勝敗を争うこと」としています。
どちらも、「互いに~する」という意味で「合」を使っていることが分かりました。
勉強になりました。ありがとうございました。