「許可」と「認可」の意味の違い

「使用を許可する」

「営業を認可する」

 

上の文の「許可」「認可」の意味を考えてみましょう。

それぞれの漢字の意味からすると、「許可」は「ゆるして、よいとする」という意味で、「認可」は「みとめて、よいとする」という意味になりますが、これだけでは分かりにくいですね。

そこで今回は、「許可」と「認可」の意味の違いについて調べてみることにしました。

「許可」と「認可」の意味

はじめに「許可」と「認可」について「大辞林第三版」を引いてみました。

「許可」とは

①(目上や公的な立場から)願いを許すこと。 「出席を許可する」

② 〘法〙 法令により一般的に禁止されている行為を、行政機関が特定の場合に解除し、適法に行えるようにすること。免許。

(出典元:「大辞林第三版」三省堂) 

「許可」とは、「願いを許し、認めること」です。

法律的には、「許可」とは普段、禁止されている行為について、特別な場合にその禁止を解いてその行為を許すことです。

たとえば、公共の体育施設でスポーツ活動をしたいときには、事前に行政機関に「使用願い」を提出し、「許可」を得なければなりません。

また、古物商を行うために公安委員会へ許可申請を出して「許可」を得ることなどもこれに当たります。

「免許」も「許可」と同じ意味です。「運転免許」は、自動車の運転を一律「禁止」にして、免許を取得した人だけに運転を「許可」するものです。年齢や技能に関係なく自由に運転することによって発生する事故を防ぐためです。

「認可」とは

①ある事柄を認めて許すこと。

②行政機関が第三者の行為に同意を与え、その行為を法律上有効に完成させる行政行為。許可。 「営業を認可する」

(出典元:「大辞林第三版」三省堂)

「認可」とは、一般的には自由に行うことができる行為について、基準を設けて制限し、その基準どおりに当てはまっている行為を認めることです。

「認可」は、管轄する公の機関が監督を必要とする特定の事柄について、特に同意を与えて行わせるときに使います。

たとえば、ガス料金があげられます。

ガス料金はガス会社が自由に決めることができますが、法外な値段をつけられれば、消費者にとって大きな迷惑となります。

そのため、料金に基準を設け、その基準どおりに設定されていればその料金を認めるという形になっています

また、バス運賃は、道路運送法により、国土交通大臣の「認可」を受けなければならないことになっています。

補足(「認証」について)

「許可」や「認可」と似ている言葉に「認証」があります。

「認証」とは、取引があったときに認証機関(第三者)が間に入って取引の様子や交わされた書類を見て、取引が間違いなく行われたと証明することです。

また、本物であることや正当性を認めるのも「認証」です。「この人は○○さんです」と証明するのです。

パソコンにログインするときに、使用者が本人であることを証明するために、ユーザー名や生年月日、パスワードなどを入力するのも「認証」です。

まとめ

今回のポイントをまとめます。

「許可」とは、普段禁止されている行為について、特別な場合にその禁止を解いてその行為を許すこと。

  • 「許可」を得ていない場合は処罰の対象になる。

「認可」とは、基準を設けて制限し、その基準どおりに当てはまっている行為を認めること。

  • 「認可」を受けずに行われた行為は無効になる。
出典・参考

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