「基準」と「規準」の意味の違いと使い分け
採点の基準
判断の規準
上記用例の「基準」と「規準」の意味の違い、分かりにくいですね。
今回は「基準」と「規準」の意味の違いと使い分けについて調べてみます。
目次
「基準」と「規準」の意味
「日本語に強くなる本」には、
- 「基準」は、基礎となる標準。
- 「規準」は、手本となる標準。
(出典元:「日本語に強くなる本」省光社)
とあります。
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「標準」を「明鏡国語辞典」で引くと、「判断・行動などのよりどころとなるもの」とあるので、
- 「基準」は、判断・行動などの基礎となるよりどころ。
- 「規準」は、判断・行動などの手本となるよりどころ。
ということになりますが、まだ分かりにくいですね。
「明鏡国語辞典」には次のように書かれています。
「基準」の意味
きじゅん【基準】
物事を比較・判断するときの基礎となるよりどころ。
「評価の基準を示す」
「水質の基準を満たす」
(出典元:「明鏡国語辞典」大修館書店)
「規準」の意味
きじゅん【規準】
判断・行動などの模範となるよりどころ。従うべき規則。
「道徳の規準」
「規」はコンパス、「準」は水準器の意。
(表記)法令では「基準」。一般にも「基準」でまかなうことが多い。
(出典元:「明鏡国語辞典」大修館書店)
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新聞用語集では
また、「朝日新聞の用語の手引き」「毎日新聞用語集」などには、
きじゅん(規準)→ 【統】 基準
(出典元:「朝日新聞の用語の手引き」朝日新聞出版、「毎日新聞用語集」毎日新聞)
とあり、一般では「基準」という表記を使っていることが分かります。
教育界では
一方、日本の教育界では、「基準」を「もとじゅん」、「規準」を「のりじゅん」と読んで区別して使っています。
子供たちの学習の評価を行うためには、評価の尺度(ものさし)が必要です。それが、「評価規準」「評価基準」です。
「評価規準」
「評価規準」とは、学習指導のねらいよって示された子供たちにつけたい力を、具体的な成長の姿として文章表記したものです。
例えば、第6学年「水溶液の性質」の2時3時の評価規準は、「リトマス紙などを使って水溶液の性質を調べ、結果を記録している。」「水溶液は、酸性・中性・アルカリ性の3つの仲間に分けられることを理解している。」となります。
「評価基準」
「評価基準」とは、評価規準で示された子供たちにつけたい力が、どの程度まで習得されているのかを見極める判断の基準を表したものです。
「評価規準」に達している場合がB、達していない場合がCとなります。つまり評価規準がB基準となります。Cについては、Bを実現するための具体的な手立てを行います。Aの具体は示しません。
法律では
「建築基準法」「労働基準法」など、法律では「基準」を使いますが、「地価公示法」の中に、土地の価格を求める際に「公示価格の規準として」と使われています。これは「模範となるよりどころ」という意味です。
「基準」と「規準」の使い分け
「旺文社国語辞典」の「使い分け」には、
「基準」は、物事を他と比べるときの基礎となる標準の意で、
「許可の基準」
「免許の基準」
「労働基準法」
「賃金の基準」
「建築基準にのっとる」
などと使われる。
「規準」は、物事の規範や手本となる標準の意で、
「道徳の規準」
「審査規準」
「公示価格を規準とする」
などと使われる。
(出典元:「旺文社国語辞典」)
とあります。
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まとめ
- 「基準」→ 物事を比較・判断するときの基礎となるよりどころ。
- 「規準」→ 判断・行動などの模範となるよりどころ。
- 一般では「基準」という表記を使っている。
- 教育や法律では「規準」も使われている。