百年文庫9「夜」 カポーティ、吉行淳之介、アンダンス 

「夜の樹」カポーティ 浅尾敦則 訳

おじの葬儀に参列し大学に戻ろうと夜汽車に乗った19歳の女性がいました。彼女は一つだけ空いていた席に座りました。すると向かいに座る荒んだ男女とのやり取りが始まります。女性は、その男女から逃れたいのですが……。何とも不条理な物語でした。

「曲がった背中」吉行淳之介

「ヘミングウェイの殺人者の背中のようだ」

これは主人公である「私」が、戦後空き地に建ったマーケット(木造長屋)の飲み屋で出会った男に掛けた言葉です。それをきっかけに「私」は焼け残った男のアパートで彼の辛い体験を知りました。戦後12年、マーケットは取り壊されて新しいビルが建ちました。私はアパートのそばを通るときあの男のことを思い出すのでした。

戦争の傷跡をじわりと感じる物語です。

「悲しいホルン吹きたち」アンダンス 橋本福夫 訳

「おとなであること」とは?

人間はある場所から出てゆき、別の場所へ入り込む。

未成年時代と成年時代とは、人間が人生でのそれぞれの期間に暮らす二軒の家のようなもの。

不意に大人社会に飛び込んだ少年の心情を描きながら、大人になることの意味を問い、大人たちの悲しみに触れています。

「悲しいホルン吹きたち」というタイトルは絶妙ですが、文中では「コルネット」となっているのは何故なのか気になりました。

(009)夜 (百年文庫)

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