百年文庫21 「命」 シュトルム オー・ヘンリ ヴァッサーマン
「レナ・ヴィース」シュトルム 関 泰祐 訳
作家である「私」が生涯独身だったレナ・ヴィースを語る物語です。
元気に働いていた大人たちが老いて亡くなり、家族の営みが次の世代へ受け継がれていく。こうした時間の経過は古今東西同じです。レナ・ヴィースは両親を亡くし妹を亡くしひとりぼっちになってしまったのです。
親族とのつながりの中で死期を迎えるレナの姿を私が見つめます。
「最後の一葉」オー・ヘンリ 小沼 丹 訳
舞台はスウとジェンシーの画室。その頃流行していた肺炎でスウは命の危機にありました。スウは窓の外に見える蔦の葉が落ちていくのを数え、最後の一葉が落ちるとき自分もおしまいになるとジェンシーに話します。同じ建物に住む画家ベアマン爺さんが部屋にやって来た日、一晩中風雨が強く吹いたというのに、その翌朝、最後の一枚の葉はそこに残っていました……。
多くの人に読まれている名作。(私が学生時代に読んだ翻訳はどなたのものだったのだろう。)
「お守り」ヴァッサーマン 山崎恒裕 訳
裏表紙の内容紹介に分かりやすく書いてありました。
「両親の顔も知らずに路地裏で育ったクリスチーネは、水汲み、洗濯、子守りなどをしながら人間の醜さばかりをみて暮らす。そんな女性が罪と絶望の果てに人間愛を知る。」
臨終の間際に、理解され、許され、初めて幸福というものを味わうことができたクリスチーネ。もっとはやくその時を迎えさてあげたかった。彼女を許すことができたカリクストゥスの変容も見逃せません。
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