百年文庫33「月」ルナアル リルケ プラトーノフ

「フィリップ一家の家風」ルナアル 岸田国士 訳

 ルナアルは映画やミュージカルで馴染み深い「にんじん」の原作者。

「フィリップ一家の家風」は1907年の作品。フィリップ一家を中心にフランスの村人たちの素朴な姿を描いています。
要らぬ説明はせず結末も明確に示さない書き方が、読者の心をくすぐります。例えば、第二章の兵隊に行ったアントワアヌの普段着が入った包みが届いた場面。「これ、みんな、向こうへ行く時に着けていった衣装ですよ。……」とお神さんが言ったところで終わっています。

「老人」リルケ 森鴎外 訳

ペエテル・ニコラスは75歳。毎日、日のさす公園にやってきてベンチに座って過ごします。両脇には貧院から来るペピイとクリストフが座っていて、この三人の姿がリアルに描かれています。
昼になり孫娘の迎えを受けて家に帰るペエテルと貧院に帰るペピイとクリストフの姿は対照的ですが、その孫娘の存在は貧院の二人にも幸福をもたらしているように思えます。

「帰還」プラトーノフ 原卓也 訳

イワノフは復員で4年ぶりに家族のもとに帰りました。工場で働く妻と息子・娘は、互いを思いやり、身を寄せ合って暮らしていました。そして家の中では12歳の息子が采配を振るっていました。妻は毎日家に訪れる男性がいることをイワノフに話さなければならないと思っていました。イワノフは妻が不貞を犯したのではないかと疑念を抱き、口論となり家を出て行きます。しかし……。
読者は最後までこの家族の行く末を心配しなければなりませんが、ラストシーンでやっと安堵することができます。

(033)月 (百年文庫)

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