百年文庫18「森」 モンゴメリー、ジョルジュ・サンド、タゴール

「ロイド老嬢」モンゴメリー 掛川恭子 訳

町で名声を博す家に育ったマーガレット・ロイドは、一人屋敷に住む金持ちでけちでプライドの高い老嬢でしたが、新しい音楽の先生シルビア・グレーが現れてから少しずつ心を開いていきます。本当はその日の食事に困るほど貧しいロイド老嬢。彼女は食事の回数を減らしてまでしてシルビア・グレーのために生きようとするのです。誤解が解けてプライドも恨みもなくなり、すべてを許せるようになったときの幸せ。心が晴れやかになるような読後感が待っています。

「花のささやき」ジョルジュ・サンド 小椋順子 訳

晩年のサンドが二人の孫娘のために書いたお話のひとつだそうです。

子供の感受性は、時として子供でなければ感じることのできないものを引き出すものです。だから私が花々のおしゃべりを聞いたことがあるとしても、それはそれほど不思議なことではないような気がします。そんな子供の心を大切にした作品だと思います。

「カブリワラ」タゴール 野間 宏 訳

私はカルカッタに住む小説家で、妻と五歳になる娘がいました。

ある日、私の家に高いターバンを巻きつけ大きな袋を背負ったカブールの果物売りが訪れます。娘は母親の心配をよそにカブールの果物売りと仲良しになりますが、果物売りは暴行罪で懲役判決を受けてしまいます。そして数年後……。という話ですが、この短篇は世界的に人気が高く、映画化もされているそうです。他の作品も読んでみたいと思いました。

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