百年文庫29「湖」フィッツジェラルド 木々高太郎 小沼 丹

「冬の夢」フィッツジェラルド

この作品を読み終えて、表題の「冬の夢」とは何なのかしばらく考えさせられました。この言葉、第一章の「このときも彼は無意識のうちに冬の夢の言いなりになってしまったのだった。」と最終章の「あの国では、かれの冬の夢がいまを盛りと咲きほこっていたのだ。」で登場します。その夢は彼が14歳の時に11歳の女の子に出会ったときに始まっていました。女の子は奔放な娘となり彼は娘と恋に落ちます。そして二人が出会ってから17年後、人づてに彼女がほかの男性と結婚し容色を失っていったと聞きます。「冬の夢」とは過ぎ去った過去の陰影なのでしょうか……?

「新月」木々高太郎

作者は「推理小説」という名称の生みの親なのだそうです。

31歳年上の男性に嫁いだ女性の事故死について書いた作品です。問題はこの事故が夫の故意によるものだったのかどうかという点にあります。事件が事故死であると決着した後に夫は亡くなりますが、彼は「新月」という題名の小説めいた文章を残していました。人間の心理について深く掘り下げた作品でした。

「白孔雀のいるホテル」小沼 丹

大学生だった「僕」が宿屋の管理人を勤めたときの話です。経営者は将来湖畔に白いホテルを建てたいという構想をもってこの宿屋を始めましたが、客はなかなか入りません。やがて外交官を目指す学生、駆け落ちした男女二人、そして農業と称する男性が宿を求めてやってきました。彼らが引き起こす様々な騒動の中にあっても、経営者は白いホテルの構想を具体化していこうとします。いつかきっと夢をかなえる、という希望が物語を明るくしています。

(029)湖 (百年文庫)

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