「目標」「課題」「目的」の意味の違いと使い方
次の文の( a )( b )に入る言葉を選択肢から選んでください。
私には、3年後に海外旅行に行く計画があります。
そのために今年は100万円を貯めることを( a )にしました。
この( a )を達成するためには、無駄遣いしないことが( b )となります。
選択肢1『課題』
選択肢2『目標』
今回は、「目標」「課題」「目的」の意味の違いと使い方についてお伝えします。
まずは、問題の解説から。
はじめに、大辞林第三版で『課題』と『目標』の意味を調べてみました。
目次
「目標」と「課題」の意味
「目標」の意味
① そこまで行こう、なしとげようとして設けた目当て。
「年内完成を目標にする」
「目標を掲げる」
② 射撃などの的。
「目標に命中する」
③ 目じるし。
「車上にて弗と目につきしは両替屋の目標なり/千山万水 乙羽」
類義の語に「目的」があるが、「目的」はその実現に向けて行為が行われる事柄(対象)の意を表す。
それに対して「目標」はそこまで到達しようと定めたところの意を表す。
(出典元:大辞林第三版)
「課題」の意味
① 仕事や勉強の問題や題目。
「休暇中の課題」
「課題を与える」
「課題図書」
② 解決しなければならない問題。
「当面の課題」
「緊急課題」
(出典元:大辞林第三版)
「目標」と「課題」と「目的」の違い
問題文「そのために今年は100万円を貯めることを( a )にしました。」の「100万円を貯めること」は、
「目標」の意味「① そこまで行こう、なしとげようとして設けた目当て。」
に当たりますから、
正解は、選択肢2「目標」になります。
ここでは、海外旅行に行くことが「目的」になります。
その「目的」を達成するために、
今年は「100万円を貯めることを(目標)にしました。」ということになります。
そして、
「この(目標)を達成するためには、無駄遣いしないことが( b )にとなります。」は、
「課題」の意味「② 解決しなければならない問題。」
に当たりますから、
正解は、選択肢1「課題」になります。
「100万円を貯める」という「目標」を達成するために、「無駄遣いしないこと」を「課題」にした、ということです。
ここまでをまとめます。
- 「目標」とは、「目的」を達成するために設定した「目当て」
- 「課題」とは、「目標」を達成するために「解決しなければならない問題」
「目標」や「課題」を語るときには、常に「目的」という語がついてきます。
「目的」の意味
① 実現しよう、到達しようとして目指す事柄。
めあて。
「目的を達成する」
「目的をとげる」
「本来の目的にかなっていない」
(出典元:大辞林第三版)
「目的」とは
「目的」とは、「実現しよう、到達しようとして目指す事柄」のことを言います。
【例文1】
私は、医学部合格を目指しています。
そのために、偏差値75を目標にして受験勉強に取り組んでいます。
この例文で言えば、「医学部合格」が「目的」で、「偏差値75」が「目標」です。
また、医学部を目指す人の中には、もう少し遠い将来を目指して「目標」を設定している人もいるかもしれません。
例えば、
【例文2】
私は将来、難民キャンプで医師として働きたい。
そのために、医学部合格を目標にしている。
この場合は、「難民キャンプで医師として働きたい」が「目的」で、「医学部合格」が「目標」になります。
「目的」とは、「目指す事柄」です。
「医師として働く」「医学部に合格する」という事柄は、実現したい夢であり計画でもあります。
「目標」とは
「目標」とは、「そこまで行こう、なしとげようとして設けた目当て」です。
【例文1】で言えば、「医学部合格」という「目的」を達成するために、「偏差値75をなしとげよう」ということを「目当て」にしたのです。
「目標」とは、「目的」を達成するために設定した「目当て」のことなのです。
「目標」の「標」には「目印の木」とか「標識」という意味があります。
山登りのときに、山頂に行くためのルートを示す道標(みちしるべ)が立っています。
ルートを分かりやすく示す道標があるから山頂にゴールすることができるのです。
人はその道標を「目標」にしてゴールを目指すので、道標には分かりやすく具体的な数字などが書かれています。
ここまでをまとめます。
「目標」と「課題」と「目的」の使い方
【目的】
医学部合格
【目標】
- 偏差値75にする
- センター試験で得点率90%にする
【課題】
- 英語のリスニング
- 地理、歴史
【目的】
難民キャンプで医師として働く
【目標】
- 医学部に合格する
- 英会話検定1級に合格する
【課題】
- 偏差値75
- センター試験で得点率90%
【目的】
三年後の海外旅行
【目標】
- 1年目に100万円貯める
- 2年目で200万円貯める
【課題】
- 無駄遣いをなくす
- 無遅刻無欠勤
- 正確な業務の遂行
一つの「目的」を達成するために、いくつかの「目標」が設定されます。
そして、その「目標達成」に立ちはだかる「問題」を解決するための「課題」を設定するのです。
『目標』が達成されることによって、『目的』は変化していきます。
『目的』によって『目標』の設定が変わってきます。
一つの『目的』を達成するために、いくつかの『目標』が設定されます。
まとめ
「課題」「目標」「目的」の意味の違いと使い方についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
今回のポイントをまとめます。
「目的」とは、実現しよう、到達しようとして「目指す事柄」
- 「目的」は実現したい夢であり計画でもある。
- 「目標」が達成されることによって、「目的」は変化していく。
「目標」とは、「目的」を達成するために設定した「目当て」
- 「目標」は具体的に設定する。
- 「目標」は複数あってもよい。
「課題」とは、「目標」を達成するために「解決しなければならない問題」
- 「課題」は「目標達成」に立ちはだかる「問題」を解決するために設定する。
- 「課題設定」なしに「目標達成」はない。
「目的」を達成するために、いくつかの「目標」が設定されます。
あなたが掲げた計画や構想は一つの「ゴール」です。
その「ゴール」が「目的」だとしたら、その「目的」を達成するための道標(みちしるべ)が「目標」です。
「目的」までの道のりの途中に「目標」があります。
あなたが描く計画を実現するために「目標」を掲げ、
その「目標達成」のための「課題」を一つ一つ解決していってください。